副院長は鍼灸の専門学校を卒業してすぐに広島県の有名な先生に弟子入りしました。
「今時弟子入り?」と思う人もいるかもしれませんが、鍼灸術(伝統医学)は歴史のある特殊技術なので師匠について技術を学び、それを後世(後輩)に伝えていくという世界なのです。伝統芸能では弟子入りは今でもありますよね。
鍼灸が世襲じゃなくてよかったと僕は思っています。
今ではなかなか弟子をとってくれる先生も少なかったり、色々な理由で弟子入りしたいけどできないというのが現状かもしれません。
そう思うと副院長はすごく幸せなご縁に恵まれていたと思います。しかし当時を振り返るととても大変で師匠は手取り足取り教えてくれるわけではなく、ただその背中を見ていただけでした。
習い事の「お稽古」は先生がつけてくれますが、修行は違います。自分で考えて悩んで師匠の技術、知識、立ち振る舞いすべてを盗み、我が身に付けていくもの。
受け手の気持ちや心構えで修行は変わってきます。
最近、お稽古に興味を持ち出した副院長は「今ならわかる」と遠い目をして当時を振り返っています。その視線の先には偉大な師匠の背中が・・・。
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